入浴の流れ

 

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入浴の流れを示した絵カードです。なお、動詞「入る」を示す絵は3番の片足を湯船につけているものです。4番をイメージして、「お風呂に入っているところです」と紹介することがあるようですが、「入る」は継続動詞ではないので文法上使用不可です。「部屋に入っているところです」などは言えませんからね。

しかし、「お風呂に入っているところです」に違和感を覚えない方が多いのも事実です。「お風呂に入る」を継続的な動作として捉えてしまうのは、日本人がそれを一連の流れとして見ているからだと考えられます。

他の先生と話して、「浴室に入る、体を洗う、湯船に浸かる、しばらくして出る…」「脱衣所で脱ぎ始めたところも含むのではないか」と話は膨らみました(笑)純粋に「浴槽に入る」だけが「お風呂に入る」の意味ではないということです。そういうわけで、この絵を描いてみました。この1~5の絵の流れ全体で「お風呂に入る」という行為なのではないでしょうか。

なお、「風呂」という語自体も、単なる「浴槽」「風呂桶」という設備の意味だけではなく、「入浴すること」「浴室」「洗湯・風呂屋」という意味を持っています。

繰り返しになりますが、「入る」という動詞は継続動詞ではありません。ですから、「入っているところです」や「入りながら」というのは文法的には言えません(スローモーションになってしまいます…)。

ただし、文法的には不可だけど、慣用表現としては可なのかな~と思っています。わりと普通に使われているでしょう。教師としては、これを例文として出すかどうか、きちんと見極める必要があると思います。

『絵で導入・絵で練習』

絵で導入・絵で練習』(凡人社)

初級でよく教える文法の絵教材です。冊子には絵の一覧、導入例・例文などが掲載されています。CDROMにデータ版も入っているので、プリントやスライド作成の際にも便利です。

最近、同僚から指摘があったんですが、「お風呂に入りながら、本を読む」という導入例がありました。継続動詞ではないものを出すのは問題ありですね…。状況はわかりますけどね。ご注意ください。