「記憶」「思い出」「記念」

英語に訳すと同じ?

「記憶」も「思い出」も、英語にすると”memory”です。「記念」は、「記念日」「記念館」などに使われるように”memorial”と訳されることも…。実際に宿題に書かれた文を見て、使い分けられていないことに気づきました。英語の訳から考えると、この3つの言葉は似ているようです。使い分けを考えてみたいと思います。

辞書の意味の比較

「明鏡国語辞典」(大修館書店)より引用。

記憶
(1)過去に経験した事柄を忘れずにおぼえていること。また、その内容。「まったく記憶にない」「記憶に新しい出来事」「記憶力」
(2)コンピューターに、データを保存しておくこと。「記憶装置」

 

思い出
(1)過去の体験や出来事を心に思い浮かべること。また、その内容。「思い出にふける」「少年時代の思い出を語る」
(2)過去を思い浮かべるよすがとなる事柄。「旅の思い出に絵はがきを買う」

 

記念
(1)思い出となるように残しておくこと。また、そのもの。「旅行の記念に写真を撮る」「記念品」「記念スタンプ」
(2)何かを行って過去の出来事や人物などを思い起こし、気持ちを新たにすること。「創立十周年を記念する式典」「記念行事」

「記念」は少し違いますが、「記憶(1)」と「思い出(1)」は微妙な違いですね…。

過去を懐かしむ気持ち

a. 小さいころの思い出が何もない。
b. 小さいころの記憶が何もない。

bの場合、年齢的に小さいころのことを覚えていないとか、記憶喪失のようにその期間に起こったことが抜けているという意味です。一方、aの場合は、小さいころの何をしていたかは覚えているけれど、大して語れるような事がない、充実していない、という感じです。このことから、「記憶」は、「覚えているか・いないか」が問われるところで、内容については関係しないと思います。「記憶力」は「何かを覚えるための力」ですしね。「思い出」のほうは、内容に関心が向いています。小さいころ、「家族で海に行った」とか「友達と虫取りに夢中になった」とか、そういうことです。

c. 大学時代に友達と徹夜で語り合ったことは良い思い出です。(×記憶)

過去の出来事を懐かしむようなときは「思い出」ですね。「良い」こともあれば、「悪い」こともありますが、振り返ってしまうものです。辞書の説明の「心に思い浮かべる」というのは、こういうことでしょう。

d. 起きてから家を出るまでの記憶はあるが、その後どうしたか分からない。(×思い出)

一方で、「記憶」には、懐かしむような感情が無いと思います。

思い出のかけら→「記念」

e. ×記念が悲しい。

作文にあった間違いです。「思い出が悲しい」もなんとなく座りが悪いですが、要は「悲しい思い出」ということです。

「記念」は、「~の記念に…」のように言うか、「5周年記念」や「結婚記念日」など他の言葉と組み合わせるか…。もしくは、動詞として使い、「~を記念して…」。「思い出」や「記憶」のために、残すこと・何かすることが「記念」につながるのだと思います。カップルが「1ヶ月記念」などと毎月祝うとすれば、その1つ1つが思い出となるでしょう。単なる「記憶」になってしまう可能性もありますかね(笑)

もうちょっと用例を調べると面白そうです!

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